IFAになるには? 必要な資格とスキルを解説

IFAのシゴト(IFAになりたい)

特定の銀行や証券会社による営業方針に縛られることなく、顧客本位の提案ができる、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)。非常にやりがいのある仕事ですが、どうすればIFAになれるのでしょうか。ここでは、IFAになるための要件について解説します。

IFAになるための方法は大きく2つ

IFAになるための方法は、大きく2つあります。

方法①:みずからIFA法人(金融商品仲介業者)を立ち上げる
IFAとして事業を展開するには、金融商品仲介業者として金融庁に登録する必要があります。個人・法人で登録することができ、みずから設立しIFAとして開業することができます。その際は、証券会社など金融商品取引業者との契約や、財務局へ仲介業登録の申請も必須です。基本的には半年~1年程度の時間を要します。

方法②:IFA法人(金融商品仲介業者)に所属する
既存のIFA法人に所属する方法で、①に比べるとハードルは低いとされます。2023年5月末現在で、全国のIFA法人に数は679社。(※)首都圏や近畿圏が中心となりますが、各地で事業を展開しています。正社員もしくは業務委託契約として働きますが、各法人に企業理念や経営方針、顧客へのアドバイスの方針は異なるので、自分のスタンスに合ったIFA法人を選ばないといけません。

参考:金融庁「金融商品仲介業者登録一覧」

IFAになるには証券外務員の資格が必須

IFAとして活動するためには、証券会社および登録金融機関により設立された、日本証券業協会が認定する資格試験「証券外務員」の資格を取得する必要があります。証券会社が銀行で勤務経験がある方は、すでに資格を持っているかもしれません。その場合は、IFAに転身した後も資格を活用することができます(転職先から新たに外務員登録を行い、180日以内に資格更新研修の受講が必要)。また、この資格はIFA法人と提携している証券会社を通じて、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。なかには、入社後の資格取得を前提に採用を行っているIFA法人もあるようです。

必須資格の証券外務員以外にも、IFA業務に活用できる資格はいくつもあります。代表的なものを挙げました。

資格①:保険募集人資格
IFA法人によっては、金融商品の仲介だけではなく、生命保険や損害保険の販売も行っています。保険の販売は誰にでもできるのではなく募集人の資格を取得する必要があり、生命保険なら「一般課程試験」、損害保険では「損害保険募集人一般試験」の基礎単位に合格しないといけません。

資格②:FP(ファイナンシャルプランナー)
FPは、ライフプランニングなど、資金計画の専門家です。日本FP協会や一般社団法人金融財政事情研究会が資格試験を実施していて、1~3級FP技能士、もしくはAFPやCFP®に登録することで、FPとして公に活動することができます。ファイナンシャルプランニング業務の遂行に資格・経験は不要ですが、FPの有資格者だと豊富な知識をもとに、幅広い顧客へのサポートが可能になります。相談業務も行うIFAにとって、持っておいて便利な資格ですし、顧客からの信頼感にもつながるでしょう。

ここで挙げた以外にも、簿記や宅地建物取引士、証券アナリストなど、IFA業務を補完する資格はいくつもあります。必須ではないものの、業務範囲を広げたい、より深く顧客に資産作りをサポートしたいのなら、保有しておくと良いかもしれません。

金融機関営業職からの転身者が多い

顧客に対して資産運用の提案・仲介・サポートを行うわけですから、資格以外にも金融や経済、資産運用に対する深い知識は求められます。日々の情報収集や分析、自己研鑽もマストの職業だということです。

業務内容に共通性もあることから、IFAの前職は証券会社の外務員、保険代理店や銀行など、金融機関の営業職であることが多いようです。FP事務所や保険代理店が業務拡大を目的にIFA業務を兼ねるケースも増えています。いずれにしても、未経験者の転身・採用は少なく、「ノルマに縛られたくない」「顧客に寄り添った提案をしたい」「収入を増やしたい」といった理由からIFA法人に転職したり、みずから法人を立ち上げ活躍しています。

なお、IFA法人に所属する場合、代表や従業員からの誘い、みずから募集にエントリーするなど、いくつかルートはありますが、現在はIFAの転職をサポートするエージェントも増えています。証券会社がIFAに関するセミナーを開催しているので、こういったところから情報を集めるのも良いかもしれません。

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