金利は投資にどう影響する? 金利から考える株式の味方を解説!
個別株や投資信託を保有していると、日々の株価は気になるというもの。業績など企業に関するニュースや政治や気候、国際情勢など株式市場全体に関係する要因で変動しますが、なかでも注目されるのが「金利」です。具体的にどう影響するのか、ここで解説します。
株価の決定要因は投資家間の需給
さまざまな情報がこれを左右する

一般的に株価は、買いたい投資家と売りたい投資家のバランスにより決まります。モノやサービスの値段がそうであるように、需要である「買い」が供給である「売り」を上回ると株価は上がり、その反対だと株価は下がります。では、どういった情報が需給を左右するのでしょうか。
1つは企業に関するものです。新商品がヒットして、ブームになり売上や利益が増えるなど、業績がよくなると増配が期待され株価が上がる傾向がみられます。反対に赤字経営が続く企業の株を欲しいと思う人は減り、株価は低迷します。経営層や社員の不祥事、企業の知名度なども株価の変動要因ですが、業績と株価の関係は明白です。
株式市場全体への影響は、個別株にも波及します。現在は株式市場の国際化が進み、日本の株式市場のメインプレイヤーは外国人の機関投資家です。海外の景気が悪くなると日本市場から資金を引き揚げるので株価は低迷し、反対に海外景気が好調だと投資意欲が高まり、日本市場へも多額の資金が流入します。他国の景気が悪くなることで、相対的に安定している日本株を買う外国人機関投資家もいるでしょう。過去に起きたリーマンショック、コロナショックなど世界規模の出来事が起きると、日本のみならず世界の株式市場が冷え込むこともあります。
自然災害や天候もそうで、地震や台風などの災害が起きると、被災地企業の業績は悪化し株価が下落し、猛暑だとエアコンや飲料メーカーの業績は伸び、株価を引き上げる要因になります。税金や公共事業、金融経済に関する政治家や財界など要人の発言も同様です。
外国為替との関係も忘れてはなりません。円安になると輸出企業の儲けは増え、株価は上がり、輸入企業は原材料・製品の調達コストが上昇するので儲けは減り、株価は下がります。
このように、さまざまな要因で株価は動きますが、金利もその1つです。言わずもがな、金利とは預金や借金に対する利息の割合を指し、株価への影響は必至と言われています。一般的には金利が下がると株価は上がり、金利が上がると株価は下がる傾向があります。
金利が上下することで企業の業績や
個人消費は増減し株価にも影響する
まず、金利が下がると企業の融資コストは低減され、金融機関から資金を調達しやすくなります。設備投資や事業拡大をしやすくなるので業績を向上させる要因となり、投資家による企業への期待感も高まり、買いが先行し株価を押し上げやすくなるのです。とりわけ、潤沢な資金を持たない新興の上場企業にとって融資を受けやすいかどうかは極めて重要な要素で、低金利の状況は有利に働きます。いわゆる成長株が低金利下で注目されるのは、こういった理由があるからです。
反対に金利が上昇すると企業は資金が借りにくくなり、設備や人材採用をはじめとする投資に資金を回すことができず、事業は停滞し売上や利益が伸びず、株価も冴えない動きとなります。先ほどと同じく成長株で例えると、高金利下では事業に回せる資金が減り、既存の借り入れに対する返済額も増えるため、新たに融資を受ける余裕はなくなり、不利な状況に追い込まれます。こういった場合、多くの投資家はリターンが少なくても割安で優良なバリュー株に注目します。
また、低金利だとお金を預貯金に回すより投資に回しリターンを得たいと考える人は増え、株式市場へ資金は流入しやすくなります。住宅ローン金利も下がるのでマイホーム購入が増え、住宅購入時は家電なども新しく買い替える世帯が多いので、個人消費を後押ししやすく企業業績にも影響します。日本ではバブル崩壊に伴い株式投資で失敗したなどの理由から預貯金に偏りがちですが、近年はNISAやiDeCoの普及も手伝い投資人口が拡大しました。逆に、日本の金利が本格的に上昇すると株式より安全性の高い預貯金にお金をシフトする可能性もあります。その際は、保有株を売却する人が増え、株価は下がることになります。
ただし、金利が上昇すると必ずしも株価が下がるわけではありません。
そもそも、なぜ各国中央銀行が金利を調整するかというと、過度なインフレを抑制するためです。例えば、日本であれば日銀が2%の物価安定の目標を掲げ金融政策を実施し、政策金利(景気や物価の安定など金融政策上の目的を達成するための短期金利)も決めています。基本的には物価の下落局面(デフレ)では金利を下げ、市中に回す資金の供給量を増やし景気を刺激し、物価が上昇局面(インフレ)では、金利を上げ資金の供給量を絞り、物価の上昇を抑制するというわけです。
ただし、インフレには良いインフレと悪いインフレがあり、前者の場合は物価が上昇する中で、企業業績の改善と賃金の上昇が起き、さらに消費が拡大。後者では景気が悪いまま物価が上がることで企業の業績は悪化し、賃金や消費も伸びません。そして、良いインフレであれば金利が上がる以上に企業業績の改善・向上が期待され、株価の上昇にもつながります。よって、金利上昇=株価下落と断定するのではなく、足元の状況を冷静に分析する必要があります。もちろん、こういった分析を金融のプロ以外が正確にできるとは限りません。困った場合はIFAやFPなどお金の専門家に尋ねるとよいでしょう。

