40代の資産形成と運用。老後まで残された時間は十分にあり。余裕資金を使い、資産を増やす絶好のチャンス!

資産形成の知識(投資の知識)

20~30代に比べると基本給が増え、ポジションによっては役職手当がつくなど、毎月一定の余剰資金を確保しやすいのが40代です。子どもの年齢などにもよりますが、夫婦ともにフルタイムで働きやすく、世帯収入も増やしやすい頃合いかもしれません。一方、住宅ローンや教育費にはまだまだお金がかかることも事実です。どのようなスタンスで資産形成・運用に臨むべきか、ここで考えてみましょう。

40代の金融資産保有額は平均811万円
預貯金や保険、株式などで保有している

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世帯調査[総世帯]」(令和5年)によると、40代の手取り収入(税引き後)は平均555万円。もっとも多かったのは500万~700万円未満(30.7%)で、次いで300万~500万円未満(23.3%)、300万円未満(20.3%)という順番でした。750万円以上は少なく、1000万円以上は10%弱にとどまります。

調査対象の約97%は預貯金または証券会社の口座を持っており、保有している金融商品でもっとも多かったのは預貯金(94.2%)。積立型保険商品(31.0%)、個人年金保険(20.8%)の割合も高く、株式(28.4%)、投資信託(28.9%)に至っては3割近くが保有していました。

金融資産保有額が平均で811万円と、30代の599万円を200万円以上上回る結果に。内訳は預貯金が340万円(そのうち定期性預貯金117万円)、株式(151万円)、投資信託(86万円)、生命保険(98万円)が目立ち、個人年金保険、債券などを含め、すべての金融商品の保有額は30代を超えていました。一方で、回答者の3割は金融資産を保有していませんでした。

このように、預貯金だけではなく多様な金融商品で資産を作っている40代が多いとわかりましたが、どのような点に注意すべきでしょうか。

40代は働き盛りの一方で、住宅ローンの返済が残っていたり、子どもの塾や習い事など教育にかかる費用も増えてくるころです。現在は大学に進学するケースも多く、公立なのか私立なのか、文系なのか理系なのか、奨学金の活用などについても家族間で考えを共有しておくと、資産形成・運用のプランは立てやすいといえるでしょう。ただし、食費や被服費など日常生活にまつわるランニングコストが嵩むのもこの年代の世帯によくあることで、収入が増えたとしても余裕資金が捻出できず、資産づくりが停滞するケースも見られます。仮にそうであるのなら、増やすことも大事ですが、普段の支出を見直し節約を心がけるのもポイントです。

また、人生100年時代と言いますが、日本人の平均寿命は男女ともに80代です。40代は人生の折り返し地点であり、現状の定年制度が今後も継続するとしたら、会社員・公務員としての残り時間も先が見え始めます。自身がどれだけ出世し、どのくらいまで収入が伸びるか(減るか)イメージできるでしょうし、そろそろリタイア後の人生について考え始めないといけません。

その際に気を付けないといけないのは、保有する金融資産やその目的をしっかり把握し、子どもの教育費や自宅の修繕費、マイカーの買い替え費用など、使い道と時期が決まった資金や、思わぬ事故・病気など突発的な出来事に使うお金は、しっかり確保しておくこと。あくまでも余裕資金を運用に回しましょう。

ただし、目標額を決めないことに具体的なアクションも定まりません。まずは、現在の生活を基準に、退職後の生活を送るために必要な月当たりの金額はどのくらいなのか、趣味や旅行などを楽しみたいなら加えてどの程度の金額が必要なのかを概算します。

支出を把握したら、次に公的年金の見込み額や退職金、企業年金などリタイア後の収入をチェックします。前者は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」、後者は勤務先で確かめることができます。これらすべてがわかると、定年までに準備すべき目標額が分かります。

40代からの資産形成・運用は決して遅くはない
目標額に向かい堅実に取り組んでいくこと

例えば、退職までの目標額が3000万円だとして、すでに同額以上の資産を持っているなら、ハイリスクの投資をする必要はないでしょう。インフレを加味する必要はありますが、債券や債券が投資対象の投資信託で運用する手があります。

老後資金のための資産作りとして、iDeCo(個人型確定拠出年金)は積極的に活用すべきです。原則60歳まで資金を引き出せませんが、毎月の掛金(拠出金)は所得控除の対象となり、運用益も非課税扱いになります。受取時も税制優遇が適用され、これを使わない手はありません。運用対象は投資信託や預貯金、保険など多岐にわたり、リスクを取れるなら株式で運用する投資信託、リスクを取りたくないなら元本確保型の定期預金や保険を選べばよいでしょう。

毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になるNISA(小額投資非課税制度)の活用も検討しましょう。「成長投資枠」なら投資信託だけではなく個別株も購入することができ、高配当銘柄を保有しておくと株価の値上がりだけではなく、安定的な配当収入も期待できます。加えて、「つみたて投資枠」で長期のつみたて投資をすれば、時間を味方につけた資産運用が可能です。

会社員や公務員の方で、勤務先に企業型DC(企業型確定拠出年金)や財形貯蓄といった財産形成制度が用意されていれば、これらも計画的な資産作りに役立ちます。自営業者であれば国民年金基金や小規模共済の活用も考えられるでしょう。

いずれにしても、住宅ローンの支払いやライフイベントで必要な資金は預貯金で確保し、余裕資金を運用に回すというように、両者のバランスを取りながら資産を作るのがポイントです。「40代から始めても遅いのでは?」と思うかもしれませんが、リタイアまで長いと20年という人もいます。むしろ、余裕資金が生まれやすくなっているなら、増やす絶好の機会です。具体的な運用商品や手法について迷う場合は、IFAのような専門家に相談しましょう。

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