配当金・分配金の再投資戦略の魅力と実践方法について解説    

資産形成の知識(投資の知識)

株式投資による配当金や投資信託からもたらされる分配金。これらインカムゲインは、投資家にとって貴重な収益です。ただし、現金として受け取るのではなく、株式や投資信託に再投資することで、より効果的に資産を増やすことができるのはご存じでしょうか。ここでは、効率的に資産増を目指す「再投資戦略」の概要と実践方法について解説します。

複利の力を活用して
試算を加速度的に増やす

再投資戦略とは、株式の配当金や投資信託の分配金を現金として受け取るのではなく、同じ銘柄・商品の追加購入に充てることです。これにより、複利効果で資産を加速度的に増やすことができるのが特徴です。

次のようなケースで考えましょう。例えば、投資元本1000万円を、利回り3%で運用するとします。この場合、再投資を行わない単利の場合、1年目に30万円、2年目も30万円を受け取り続け、5年間のトータルリターンは元本1000万円と受け取った利益30万円×5年=150万円、合計で1150万円です。

一方、毎年の利益を元本に再投資する複利運用では次のようになります。1年目は単利と変わらず、1000万円の運用に対して30万円を受け取りますが、2年目は1030万円を運用し、30.9万円の利益を受け取ることになります。3年目は1060.9万円というように投資元本は増え続け、5年後のトータルリターンは1159万円と、単利よりも資産は9万円多くなるのです。運用期間が長くなればなるほど複利効果は大きくなり、リターンの差も広がっていきます。

このように、再投資戦略(複利運用)には、長期的な運用による資産拡大というメリットがあります。ただし、再投資した株式や投資信託の価値が下がると単利に比べると影響は大きく、含み損が拡大する恐れがあることは事実。また、保有銘柄の業績が悪化し配当が減額されたり無配になるリスクもゼロではありません。投資信託に関しても、運用成績により減配する可能性はあるでしょう。特定の銘柄・商品に再投資をし続けることで、資産が偏ることも考えられます。こういったことを避けるためには、より幅広い金融資産に投資を行い、複数の資産でポートフォリオを構成する必要があるでしょう。

とりわけ、再投資戦略を成功させるには、適切な銘柄・商品選びがポイントになります。株式であれば、長期的な成長を見込むことができ、事業モデルの安定性や差別化、優位性、さらに言えば市場における地位を事前に確認しておくことが大切です。景気の変動に業績が左右されにくい企業は、安定した配当の実施はもちろん、増配にも期待することができます。

キャッシュフローが安定している企業も安定した配当を維持しやすく、ROE(自己資本利益率)が高い企業も、株主資本を効率的に使い利益を上げていることから、長期的な成長が期待できます。近年は配当性向(純利益の中からどのくらいを配当金として株主に支払うか示す指標)を明らかにしている企業もあり、参考になるでしょう。

株式の再投資は自身で行う必要あり
投資信託は設定すれば自動で行える

保有株式の配当金を自動的に再投資する仕組みを「DRIP(Dividend Reinvestment Plan)」と呼びます。同制度は米国の株式発行企業により提供されていますが、日本では導入されていません。よって、国内株で再投資を行う場合は、配当金を元手に新たに株式を追加購入する必要があります。その金額によって資金が足りない場合は不足分を自己資金から捻出しなければならず、購入時は手数料が発生することもあり、注意が必要です。

一方、投資信託の場合は、分配金の受け取り方式を「再投資型」に指定すると、手数料無料で再投資を行います。株式に比べて再投資戦略を実践しやすいのが、メリットと言えるでしょう。

また、再投資戦略を行う場合は、NISAやiDeCoといった税制が優遇される口座を活用するのがお勧めです。これらであれば、配当や分配金が非課税扱いになり、節税しながら再投資をすることが可能です。

再投資戦略をスムーズに進め、資産を増やすには、銘柄・商品選びが重要であり、個人がうまくできるのか不安に感じる人もいるでしょう。その際は、金融商品の選び方から売買までを代行するIFAのような専門家に頼ることです。中立的な立場からアドバイスを行うとともに、再投資戦略のシミュレーションなどをもとに資金規模や再投資の実践方法などについて、わかりやすく教えてくれます。資産形成・運用のプロフェッショナルの力を借りながら、取り組んでみてはいかがでしょうか。

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