IFAの選び方 あなたに合ったIFAの見つけ方

国内には法人・個人の多くのIFAが存在し、資産運用の相談・仲介業務を提供しています。そのなかから、自分のニーズに合ったパートナーをどう探せばよいのでしょうか。ここでは、IFAの探し方についてアドバイスします。
金融機関から独立した立場で顧客を支援する
独立系ファイナンシャル・アドバイザー
銀行や証券会社などの金融機関に所属するのではなく、独立した方針のもと中立的な立場で顧客の資産作りをサポートするIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)。豊富な知識をもとに、市場の分析や資産配分などに関する助言、株や債券、投資信託など金融商品の説明や運用の提案、販売仲介を行います。さらに金融商品に限らず、不動産など実物資産への投資をアドバイスするIFAもいます。顧客視点でIFAを活用するメリットをまとめると、次の通りです。
メリット①:中立的なアドバイス
金融機関にはそれぞれ営業方針があり、アドバイザーにもノルマが課せられているケースも。組織が儲かる商品や運用法を紹介する可能性があります。対して独立性が担保されているIFAは、顧客目線の中立的なアドバイスが期待できます。
メリット②:長期的な運用アドバイスを受けられる
金融機関の担当者は定期的に転勤や異動するケースが多く、顧客と生涯にわたるような長期的な関係性を築くことは困難です。対して組織の人事に縛られないIFAは、顧客が求めれば生涯にわたって顧客をサポートすることも可能です。関係性を築きやすく、人生に寄り添ったサポートが期待できます。
メリット③:お金に関するさまざまな悩みに対応
多くの金融機関は提供するサービスが決まっているため、「投資信託は扱うが保険は扱わない」など、顧客の多様なニーズに対応できないケースがあります。IFAも基本的には資産運用アドバイスがメイン業務ですが、保険や不動産、相続などのサービスを提供していることもあるようです。対応範囲はそれぞれのIFAで異なるので相談をする前に確認が必要です。
IFAの探し方は紹介やネットなど……

IFAの探し方は難しくありません。すでにIFAを活用している人から紹介してもらうも良し、インターネットでIFAというキーワードで検索するとホームページやIFAの紹介サイトが見つかります。書籍を執筆したりセミナーを開催していたり、SNSで情報を発信しているIFAもいるので、まずは発信している内容をチェックして、自分の考えに合うのなら実際に相談してみると良いでしょう。
コンタクトを取る際は、業務範囲や料金体系、相談・サポート体制について聞くことを忘れずに。IFAによって対応する業務やサービス、求めている客層は異なります。自身のニーズに応えてもらえるのか、まずは確認を取ることです。
専任のアドバイザーがつくのか、チーム体制でサポートするのかも、IFAによって違います。長年の付き合いになる可能性もあり、相性も含めて確かめておきたいところです。相談は無料なのか有料なのか、金融商品の購入時の手数料の有無、その他のサービスに対するコストなど、料金体系についても聞いておくと、後のトラブルや誤解を避けやすくなるでしょう。
信頼できるIFAを見分けるポイント

数ある中から、どうやって信頼に足るIFAを見分ければ良いでしょうか。ひとつは、金融庁登録業者であるか否か。IFAは「金融商品仲介業者」として登録が必須なので、これが証明できないとヤミ業者ということになります。これが将来の事業の持続性を約束してくれるわけはありませんが、登録から2~3年は経っている、一定数の顧客を獲得しているなど、実績も考慮したほうが安心して相談できるでしょう。顧客ニーズのヒアリングからプランの提案、支援実行、フォローの流れや報酬体系が明確になっているかも、チェックしましょう。
金融庁が策定した「顧客本位の業務運営に関する原則」を受け入れているかどうかもポイントです。金融ビジネスでは、顧客と提供者との間で金融商品に関する情報格差は大きく、手数料目的で不要な商品を勧めたり、頻繁に売買することを勧めるなど、顧客よりも自分たちの利益を優先する販売が、後を絶ちませんでした。こうした中、2017年に金融庁は「顧客本位の業務運営に関する原則」を発表し、金融関連サービスを提供する企業に対して、同原則に則った運営方針の策定・公表を求めています。義務ではなく対応は各社にゆだねられていますが、公表しているIFAは顧客本位だと捉えることはでき、信頼性の目安になるでしょう。

※参照:金融庁「顧客本位の業務運営に関する情報」
IFAと一言で言っても、サービス内容や個性は千差万別です。長い付き合いになる可能性があるからこそ、自分に合った相手を探す必要があります。まずは、自分の資産運用の方針を考え、その方針に合いそうなIFAをインターネットなどで探して話を聞いてみてはいかがでしょうか。