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経済指標の読み方と投資判断への活かし方    

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日々変動する株価や投資信託の基準価額。これらに影響を与えるのが、定期的に発表される経済指標です。その結果は株式市場や為替市場にインパクトを与え、投資家の売買につながります。ここでは代表的な経済指標を挙げるとともに、投資判断に活かす方法を解説します。

各国の経済状況などを示す指標
政策決定や投資判断に広く活用

経済指標とは、各国の経済全体の状況や企業・家計など部門別・分野別の活動を示す統計データのことです。公的機関や中央銀行、シンクタンクなどさまざまな機関・団体が定期的に発表しており、その結果は政策の意思決定、金融市場、投資判断などに活かされています。種類は数多くありますが、ここでは代表的な指標をピックアップしました。

・GDP(GROSS DOMESTIC PRODUCT:国内総生産)

GDPとは、一定期間にその国で生み出されたモノ・サービスの付加価値の総額のこと。経済規模を表す代表的なデータです。日本であれば四半期、米国は1・4・7・10月の21日~30日に発表されます。ポイントは前年や前期と比較した「伸び率(経済成長率)」であり、パーセンテージが高ければ高いほど、その国の経済は成長していると捉えられ株価や為替に好影響を与えます。なお、主要国では速報値、改定値、確報値と複数回発表され、もっとも注目されるのは速報値です。ただし、改定値や確報値も事前予想と大きく異なれば、株式市場や為替市場に大きく影響します。

・消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)

消費者物価指数とは、一般消費者が購入するモノ・サービス価格の変動を指数化したものです。一般的に景気が良くなると物価は上昇し指数も上向き、景気が悪化すると物価も下がり指数も下落します。インフレ(物価上昇)に関する動向を分析する指標であり、各国中央銀行や金融当局の政策の判断材料として用いられます。例えば、消費者物価指数が過度に上昇すると中央銀行はインフレ対策として政策金利を引き上げ、金利が上昇すると企業の有利子負債の負担は増すので株価の下落を招くことがあります。日本は毎月26日を含む週の金曜日、アメリカは毎月15日頃に発表しています。

・小売売上高

百貨店やスーパーマーケット、コンビニなど小売業者の売上高をまとめた指標が小売売上高です。先進国を中心に多くの国では消費活動がGDPの6割以上を占めているため、消費動向は各国の経済動向を探るうえで欠かせません。米国は毎月中旬に発表しており、同国の景気はグローバルに波及するので、米国株は言うまでもなく各国株式市場の変動要因となります。

・鉱工業生産指数

鉱工業生産指数とは、鉱業・製造業部門の生産高をまとめ指数化した経済指標です。例えば電化製品の生産高が増えていると個人消費が伸びている、オフィス機器の生産高が増えているなら企業活動が好調など、サービス業の景況や個人消費の動向を把握することができます。結果、関連する企業の株価にも影響するわけです。各国で算出方法は異なりますが、一般的には基準年を100とした指数で表します。日本は毎月下旬、アメリカは毎月14~17日、欧州各国、ユーロ圏で毎月発表されます。小売売上高と合わせて確認することで、消費動向をより深く知ることが可能です。

・各種景況感指数

消費者や企業の購買担当者、アナリストなどに現在や今後の景気について聞き取り・アンケート調査を実施し、その結果を数値化したものが景況感指数です。指数が高ければ景気は良い、低いと景気が悪いと判断でき、株価の変動にもつながります。

景況感指数は各国が発表しており、米供給管理協会が算出するISM製造業景況感指数はその1つです。ここでは製造業約350社の購買担当役員にアンケート調査を行い、「良くなっている」「同じ」「悪化している」の3択の回答結果を集計し、パーセンテージとして公表。50%が分岐点で、これを上回ると景気拡大、下回ると景気後退と判断します。発表のタイミングが毎月の第1営業日と主要な経済指標のなかで最も早く発表されることから、英国景気の先行指標として注目されています。米国では他にも、米国ミシガン大学が毎月公表する「ミシガン大消費者信頼指数」、米国の民間調査機関である「カンファレンス・ボード」が毎月公表する「米消費者信頼感指数」も重要視されており、ドイツで毎月発表される「ZEW景況感指数」「IFO景況感指数」、日本でも内閣府による「景気動向指数」や「景気ウォッチャー調査」などがこれに当たります。

・米国雇用統計

米国労働省統計局が前月の雇用動向を調査し、毎月第1金曜日に公表するもので、雇用統計=米国雇用統計を指すほど、全世界が注目している経済指標です。10項目で構成されており、なかでも「非農業部門雇用者数」と「失業率」が注目されています。

非農業部門雇用者数は、非農業部門産業の就労者数をまとめたもので、対象となる事業所は約40万社、従業員数は4700万人にのぼります。サンプル数が大きいため、アメリカの経済・雇用情勢を把握するための最重要な指標とみなされています。金融政策や経済政策を見直すきっかけにもなるようです。

一方、失業率は米国内の失業者数を労働人口で割って算出するもの。景気が良いと雇用者数は増え、反対に悪化するとリストラや工場などの稼働停止により失業者が増えます。企業業績や個人消費も直結することから、株価や為替に対するインパクトは大きいと言えるでしょう。

・日銀短観

正式名称は「全国企業短期経済観測調査」で、日銀が全国の上場企業や中小企業約1万社に景況感や設備投資計画などについてヒアリングし、その結果を四半期に一度発表しています。日本の景気を探るうえで信頼性が高いとされています。

経済指標は投資判断の要になる
定期的なチェックを習慣にすること

経済指標は日本のみならず、世界各国の経済・景気動向を判断するのに役立ちます。実際のところ、結果を受けて株価指数や個別株の株価、為替相場は大きく動くことは珍しくありません。

なお、投資判断に活かす際は、日本の経済指標のみにとらわれないことです。とりわけ、経済規模が大きく全世界の景気にも影響するアメリカの経済指標は、日本の株式市場と無関係ではありません。「前日の米国市場の影響を受け、日本の株価が上下した」とはよくあることです。米国はもちろん、経済的に密接につながっている欧州、中国の経済指標もチェックすると投資判断に活かすことができます。

注視したいのは、結果そのものに振り回されないことです。機関投資家をはじめとする多くの投資家は、前回の結果や予想と今回の結果のギャップに注目し、大きく乖離すればするほど取引を加速させる傾向にあります。例えば、ある指標の結果は良くなかったとしても、予想より数値が上回っていると株価は下がらなかったり、結果が悪くなくても予想より下回ると株価が下がったりすることもあるのです。経済指標の結果を鵜呑みにするのではなく、「これを受け投資家はどのように判断するか」と考えることが、投資を成功に導きます。適切な判断を下すには経験が求められますが、IFAのような専門家にその読み方を尋ねてみるのも良いでしょう。