日本株と海外株は何が違うのか? メリット・デメリットを詳しく解説

資産形成・運用

大きなリターンを期待できることから根強い支持を誇る株式投資。投資対象は多岐にわたりますが、現在は証券会社を通じて日本株だけではなく外国株を購入することもできます。両者にはどういった違いがあるのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを解説します。

誰もが「知ってる」企業が多数。情報を得やすい日本株

プライム市場には1,596銘柄、スタンダード市場には1,567銘柄、グロース市場には612銘柄(2026年1月21日時点)と、東京証券取引所(東証)には4,000銘柄近くの企業が上場しています。誰もが知る有名企業が多く、投資対象が豊富。業績や株価について新聞やテレビ、専門誌などで取り上げられることが多く、外国株に比べて情報収集が難しくありません。

日本株は100株単位での取り引きが基本です。そのため株価(1株あたりの価格)によっては、最低購入金額が100万円を超える銘柄もあり、資金力がなければ手が出しづらいものでした。しかし、現在は1株から株取引ができる「単元未満株」のサービスを提供している証券会社もあり、必ずしも多額の資金を必要とするわけではありません。

また、東証は個人投資家が投資しやすい環境を整備するべく、株式の最低購入金額を「50万円未満」に設定することが望ましいとしています。これに準拠するため、近年は株式分割などによって最低購入金額を引き下げる上場企業も目立ちます。

日本株市場は好調に推移しており、2013年のアベノミクス以降、日経平均株価は右肩上がりを続けてきました。2024年2月22日には、1989年の大納会でつけた史上最高値の3万8915円を更新。その間、2015年のチャイナショック、2018年の米国利上げ、2020年のコロナショックなど株価が急落する局面もありましたが、2024年2月22日、バブル期の史上最高値を34年ぶりに更新しました。その後さらに上昇し、2026年2月10日には5万7650円を記録。グローバルマーケットではテクノロジー企業を中心とした米国株の上昇に注目が集まっていますが、日本株もそれに劣らない値上がりを記録しています。

近年は、海外の機関投資家や、自社株を長期保有する個人投資家を獲得しようと、株主還元を強化する企業も目立ちます。日本経済新聞社が3月期決算の上場企業(変則決算などを除く)約2,200社を集計した結果によると、上場企業の2026年3月期の株主への配当は、初めて20兆円を超え、20兆8600億円となる見込みです。配当性向を拡大するなど、配当方針・政策を変更するケースも増えています。高配当利回りや増配を実施する銘柄もあり、日本株は安定的にインカムゲイン(資産の保有によって得られる利益)を獲得できる魅力があります。

また、企業が株主に対して割引券や優待券、自社製品・サービスを提供する「株主優待」を実施しているのは日本株だけです。値上がり益や配当金を期待するだけではなく、株主優待の内容も銘柄選びの基準になります。

日本株は、日本人にとって企業情報が得やすく、リスク評価もしやすいため、株式投資の初心者に向いている市場です。ただし、外国株に比べると成長性が低いことや、株価が下落すれば配当金が減額されたり、株主優待が縮小・廃止されたりすることもあります。また、日本は地震をはじめとする災害大国であり、内需の影響を受けやすい銘柄は、災害によって思わぬ痛手を被ることもあります。

こうした複数の要素を考慮しながら、豊富な情報をもとに検討しやすいのが日本株です。まずは商品・サービスを利用したことのある企業など、情報を得やすい業界から、自分に合った銘柄を選ぶと良いでしょう。

グローバル企業にも投資可能。ハイリターンが期待できる外国株

外国株は日本人にとって、あまり馴染みがないかもしれません。ただ、外国株への投資は、日本株にはない魅力が多くあります。

たとえば米国株なら、Google(Alphabet)、Apple、Meta(旧Facebook)、Amazonなど、ビッグテックをはじめとしたグローバル企業に投資することができます。アメリカのような先進国だけでなく、今後の発展が期待できる新興国の企業に投資することも可能です。かつては遠い存在でしたが、現在は、米国や中国をはじめとする外国株にアクセスできる証券会社が多く、投資対象として選びやすくなっています。日本株に加えて外国株にも投資する国際分散投資をすれば、一国に絞った投資よりも、経済や政治などの影響によるリスクを抑えることもできます。

「為替差益」を狙えるのも、外国株のメリットです。為替差益とは、外貨建ての資産を保有している、あるいは外貨建ての資産の取引をするときに、為替レートが変動することで日本円に生まれる利益のこと。

たとえば、一般的に外国株を購入する際は、円を外貨に交換します。その購入時よりも円安が進んだ時点で売却すると、キャピタルゲイン(資産の売却によって得られる利益)に加え、円の差額分も利益として得られます。日本株は購入単位が(特定のサービスを除き)100株であるのに対し、外国株は1株単位であるケースも多く、銘柄によっては少額投資も可能です。

一方、難点もあります。まず、為替差益を期待できる一方で、「為替差損」を計上するリスクもある点です。外国株の購入後に円高になれば、その分だけ売却時に受け取れる円が減少します。

また、新興国の銘柄は市場に出回っている数が比較的少なく流動性(売りたいときに買い手が見つかりやすく、買いたいときに売り手が見つかりやすいという性質)に乏しい傾向があります。そのため地政学リスクなどの環境要因によって株価が乱高下しやすいのも、外国株ならではのデメリットです。

当然、詳しい情報を得るには英語など現地の言葉に精通していなければなりません。それに加え、外国株は日本株に比べて情報量が少ないため、リスクを評価しづらくなります。さらに日本に比べて手数料などの取引コストが高い傾向にあり、利益が生まれるには取引コスト以上に株価が上昇する必要があります。こうした要素も考慮すると、銘柄選びはより一層難しくなるでしょう。

外国株にはグローバルに展開する大企業や成長性の高い優良企業が多く、大きな株価上昇や高い配当が期待できるのは魅力です。ただし、前述のようにさまざまなデメリットがあることも理解しておくことが大切です。

株式投資の初心者にとって、外国株はハードルが高いと思えるかもしれません。目利きや管理に不安があるという方は、プロが複数銘柄を対象に分散投資して運用してくれる「投資信託」を購入するという手もあります。先進国や新興国、あるいは両方に投資する商品もあり、プロが代わりに運用してくれるため、初心者に向いています。

株式投資は、商品も運用方法も、何が適しているかは人によって異なります。少しずつ知識を得ながら、自分に合った株式投資のスタイルを見つけていきましょう。

関連記事一覧