「高配当株」と「成長株」の特徴と選ぶポイントを解説
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2026年に入り、5万円台で推移している日経平均株価。今後、上げ相場になるのか下げ相場に転じるのか、明確に予測できるものではありません。両方の可能性を考慮しつつ、資産を増やしていくには、どういった戦略が求められるのでしょうか。ここでは「高配当株」と「成長株」という値動きの異なる銘柄に焦点を当て、その活用法について解説します。
高配当株も成長株も「個別株」の1つ
上場企業の株式に投資する個別株投資。現在、東証には約3800銘柄(プロマーケット上場銘柄を除く)が上場しており、基本的にはその中から投資する銘柄を選ぶことになります。「応援したい」「企業名を良く知っている」「業界に詳しい」「業績が好調」など、さまざまな理由で絞り込みますが、その判断の参考になるのが各銘柄の分類です。「時価総額」「割安・割高」といった、いくつもの尺度があります。
今回はその中でも、「高配当株」と「成長株」について解説。どのように組み合わせて株式を持てば、リスクを抑えながら投資パフォーマンスを高めることができるか考えていきましょう。
高配当株とは?
高配当株(高配当銘柄)とはその名の通り、配当利回りの高い個別株のことを指します。そもそも配当とは、上場企業が得た利益の一部を株主に還元するお金のこと。近年は欧米にならって株主還元を重視する企業が増えており、配当はその施策のひとつです。投資家にとっても安定的に配当を得られるインセンティブが長期保有へとつながり、株価を下支えすることにもなります。企業にとっては安定株主の獲得や維持、投資家にとっては安定的な利益の確保につながるため、配当は、銘柄選びにおける重要な指標の1つになります。
配当利回りは、1株当たりの株価に対して、1株当たりの年間の配当金で割り、100をかけた割合のこと。以下の計算式で算出します。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額 ÷ 1株当たりの現在株価 × 100
配当利回りが高い銘柄は、投下資金に対して効率的に配当が得られるため、人気が集まります。一般的には3%以上を高配当株と呼ぶケースが多いようです。2026年1月現在、東証プライム市場、スタンダード市場の平均利回りは2%台なので、やはり3%を超えると高配当株といって差し支えないでしょう。
高配当株への投資には、メリットとともに、もちろんデメリットもあります。それぞれ見ていきましょう。
■高配当株のメリット
・高い配当を得られる
日本株の場合、配当金の支払いは年2回が多く、定期的に安定した配当が得られます。
・保有しているだけでいい
基本的には単元株数(日本株の場合は100株)以上を保有していると(一部銘柄は単元未満でも対象)、配当の対象となります。持っているだけで構いません。
■デメリット
・減配、無配になる可能性がある
配当利回りは、永遠に約束されたものではありません。直近の株価や予測値に基づくもので、業績の悪化により減配・無配になるリスクを含みます。また、配当金を支払うと企業からキャッシュが流出するため、株価を停滞させる、あるいは押し下げる一因にもなります。
・配当金は課税対象
配当金には、20.315%の税金(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)が課せられます。基本的には支払われる時点で源泉徴収されるので、実際に受け取る配当金額は、配当利回りの水準より低くなります。ただし、NISA口座を利用すれば非課税扱いになります。
中長期的に資産を増やしたい人にとって、高配当株はおすすめです。売買に手間をかけたくない人にも向いています。
ただ、高配当株への投資には注意点もあります。たとえば、配当利回りが極端に高い銘柄は、株価の下落が要因になっているかもしれません。経営・業績に課題がある可能性があるため、その企業の情報を調べて、よく精査するほうが良いでしょう。
また、何らかの理由で、「一時的に」配当金を引き上げるケースもあります。安定的に配当収入を得るためには、過去の配当金の推移を確認しておくことをおすすめします。減配があまりなく、増配を続けているなら、今後に期待しても良いかもしれません。
税引後当期純利益のうち、どれだけの割合の配当金を支払ったかを示す「配当性向」もチェックすべき指標です。近年は、決算報告書などで、自社の水準や目標を公表している企業も少なくありません。業種や経営方針により異なりますが、30~50%が一般的とされています。高すぎると、将来的な減配リスクや株価下落リスクがあります。低すぎると、株主還元が手薄い一方で、余力があるため、減配のリスクも限定的になるといった捉え方ができます。
成長株とは?
成長株とは「グロース株」とも呼ばれ、好業績で株価の評価も高く、さらに成長が見込める株式のことです。売上高や経常利益などが右肩上がりで推移しており、今後もさらに増加すると予測されることから、将来の株価上昇が期待され、人気が集まる傾向にあります。一概には言えませんが、最先端のテック企業や新興企業、流行の業種に該当する特徴があります。
成長株への投資にも、メリットとデメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
■メリット
・大きなキャピタルゲインが期待できる
今後の成長に伴う大きなキャピタルゲイン(値上がり益)が期待できるのは、成長株ならではの特徴です。実際に業績も伸びていると投資家の買いを誘い、株価は上昇トレンドを形成します。
・短期的な値上がり益が期待できる
急激な成長によって、短期間での株価上昇も考えられます。業績の成長が維持されているなら、さらなる値上がりを期待することもできます。
■デメリット
・大きな配当は期待できない
成長企業は設備や研究開発に資金を投じるため、手厚い配当まで手が回らないケースがあります。無配当銘柄も少なくありません。
・割高株をつかむ恐れがある
成長株は投資家から注目を集めるため、株価が割高になる傾向があります。予想したとおりに成長しなければ株価が下がり、含み損を抱える恐れがあります。また、高配当株に比べると長期保有のメリットが少なく、売り買いが活発化することで株価も乱高下しやすいと言えるでしょう。
短期~中長期的なキャピタルゲインを狙う投資家にとって、成長株は有望な選択肢です。ただし、業績が伸びる前提で株価が形成される側面があり、業績が停滞・悪化に転じると、期待が失望に変わり株価は急落する可能性がある点には注意が必要です。
その銘柄が属する市場の成長性や市場シェア、市場への参入障壁の高さも参考になります。市場が伸びており、企業の占有率が高く、競合が少ないとなると、企業業績に好影響を与えます。
バランスよく投資ポートフォリオを組むのがポイント

ここまで「高配当株」と「成長株」の特徴を見てきました。安定的に資産を増やすには、両者をバランスよく持つことが大切です。そうすることで、市況に左右されにくく、リスクを抑えながら利益を追求するポートフォリオを組むことができます。
投資には、「卵はひとつのカゴに盛るな」という有名な格言があります。これは、資産形成や運用においては複数の商品に投資してリスクを分散させることが重要である、ということ。高配当株だけでは、配当は得られても大きな株価上昇は期待できません。成長株だけでも、株価の急落で痛手を食らうかもしれません。とりわけ、長期的に資産を増やすには、異なるジャンルの銘柄を持つことが手堅い戦略となります。両者のバランスを見ながら、良い投資ポートフォリオを組んでいきましょう。

