不動産に間接投資する「REIT(不動産投資信託)」とは?
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国内外の株式や投資信託、債券など、個人が投資できる金融商品はたくさんあります。不動産への投資に特化した投資信託である「REIT(リート:不動産投資信託)」もその1つです。REITとは、どのような金融商品なのか。その特徴や、投資する際のメリット・デメリットについて詳しく掘り下げます。
投資家から集めた資金で不動産に投資。安定した分配金が魅力
REITとは「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では「不動産投資信託」と呼ばれる金融商品のこと。多くの投資家から集めた資金をオフィスビルや商業施設、マンションなどの不動産に投資し、そこから得られる賃料収入や売却益を投資家に分配します。投資対象を不動産に特化した投資信託といってよいでしょう。
もともとはアメリカで生まれたもので、日本のREITはJAPANの頭文字をつけ「J-REIT(ジェイ・リート)」と呼ばれています。証券取引所に上場しており、日本では2001年9月に初めて上場して以来、2026年1月時点で58本が取引されています。
J-REITは上場企業の株式に相当する「投資証券」を証券取引所に上場しており、その価格は投資家の需給により決まります。証券取引所の取引時間(立会時間)は株式と同じように売買でき、その価格も刻々と変動します。価格の決まり方や取引の方法は上場株式と変わりません。
J-REITの多くは年2回決算(年1回決算もあり)を行い、その際は投資家に対して配当金に相当する「分配金」を支払います。通常の会社であれば、所得に対して法人税がかかり、内部留保を差し引いた原資から配当金を支払います。しかし、J-REITは、収益の90%超を分配するなどの条件を満たすと実質的に法人税かからず、内部留保もないので収益がほぼそのまま分配金として支払われるのが特徴です。一般の株式や投資信託に比べると投資家にリターンを出しやすいといえます。2026年1月時点の予想分配金利回りは4.60%であり、東証プライム全銘柄の予想平均配当利回り2.10%に比べて、いかに高い利回りかがわかります。
少ない資金でスタートできる「J-REIT」。1つの銘柄で分散投資が可能

J-REITのメリットを考えましょう。主に3つ挙げられます。
メリット①実物不動産に比べて少額で始められる
通常、不動産に投資するには安くても数百万円、一棟アパートやマンションなら億単位のこともあります。対して、J-REITは安ければ10万円台から購入できる商品があり、必要資金を抑えることができます。
メリット②専門家が運用し複数の不動産への分散投資が可能
J-REITを運用するのは、不動産投資の経験が豊富なプロです。個人投資家が物件選びや維持管理に時間を割く必要はなく、そのコストもかかりません。
また、J-REITにはオフィスビルや商業施設、住居、物流施設、ホテルなどに特化したものもあれば、2つ以上の用途の不動産に投資する「複合型」、3つ以上の用途または用途を限定しない「総合型」など、いくつも種類があります。こういった中から投資したいものを選ぶことができ、1つの商品で複数の不動産を運用しているので、それだけで分散投資になり、リスクを抑えやすいのもメリットでしょう。
メリット③流動性や換金性が高い
実物不動産は高額であり、売りたいからと言ってすぐに買い手がつくとは限りません。対して、証券取引所に上場しているJ-REITは上場株式と同じように、取引時間中であれば購入・売却の注文が可能で、成行注文や指値注文を行うこともできます。比較的、流動性が高く、換金性の面でも優れているといえます。日々、変動する価格をリアルタイムでチェックできるのも安心です。
価格変動、上場廃止、倒産……REITのリスクとは
一方で、リスクも伴います。まず、J-REITの取引価格は需給で決まるため、価格変動リスクがつきまといます。元本が保証された金融商品ではありません。
また、不動産の売買・賃貸市場、金利環境、経済情勢などの影響を受け、保有物件の賃料収入が減ったり、地震や火災など予測不可能な事態により保有物件の価格が低下したりすることも。結果的に、価格や分配金が変動する可能性があります。
証券取引所が定める上場基準に抵触して上場廃止になると、取引が困難になったり、一般の法人と同じように倒産したりするリスクも考えられます。運用する投資法人の仕組みや方針、体制、投資リスク、コストなどを記載した「目論見書」や、財務局などに提出している「有価証券報告書」、運用状況などを知らせるために作成・交付される「資産運用報告」などで、法人の動向を必ずチェックすることが大切です。
REITには、日本国内の不動産に投資するJ-REITに加えて、アメリカやイギリスなど海外の不動産に投資する「海外REIT」もあります。J-REITに比べて高利回りであったり、値動きが激しかったりする商品もあり、かつ為替変動リスクもあるので、どちらかというと投資の中級者以上向きの商品かもしれません。
REITに投資する場合は、証券会社を通じて商品を購入する方法とは別に、複数のREITを組み合わせた投資信託である「REITファンド」もあります。REITファンドには、世界のREITに投資する商品もあり、手軽に世界の不動産に分散投資できるのが魅力です。
いずれにしても、「不動産に投資したいけど多額の資金はない」「不動産ローンは組みたくない」「管理などの手間はかけたくない」「分散投資でリスクを抑えたい」といった人にとって、REITはそのニーズに応えてくれる金融商品といえるでしょう。リスクについても理解したうえで、投資対象として検討してはいかがでしょうか。

