新興国株式の投資って大丈夫? メリットとデメリットをわかりやすく解説!

資産形成の知識(投資の知識)

海外に目を向けた株式投資と言えば、欧米をはじめとする先進諸国がメジャーです。一方、経済発展が目覚ましい「新興国」も注目を集めています。ここでは、新興国への投資の魅力、注意点、投資手段について解説します。

経済発展の途上だからこそ、将来の成長に期待できる

新興国とは、経済発展の途上にある国々を指します。経済水準は低いものの、高い成長性を秘めており、「エマージング・カントリー(Emerging Country)」とも呼ばれます。具体的には、中南米、中国、東南アジア、中東、東欧などの国々です。

BRICS(ブラジル、中国、エジプト、エチオピア、インド、インドネシア、イラン、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、アラブ首長国連邦。2026年2月時点)、 VISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ)、ネクスト11(ベトナム、韓国、インドネシア、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、イラン、エジプト、トルコ、ナイジェリア、メキシコ)というように、特に注目度が高い国はグループとして呼称されています。

高い経済成長を支える要因の一つに、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の増加があります。日本は人口が減少しており、他の先進諸国もピークアウトを迎えようとしています。一方、新興国は人口増加が見込まれる国が多く、働き手の増加やそれに伴うインフラ整備、消費の活性化などをもたらします。アクティブな経済活動が、景気を押し上げているのです。

こうした状況は、国際通貨基金(IMF)による、GDP成長率の予測にも表れています。2026~2027年の予測を見ると、先進国の成長率が1.7~1.8%です。これに対し、新興市場国、発展途上国の成長率は4.0%をやや超える水準で推移する見通しとされています。

また、2000年時点で世界のGDPランキングは米国、日本、ドイツ、英国、フランスと上位5位までを先進国が占めていました。しかし、IMFが発表した2026年のGDPランキングの見通しでは、日本がインドに抜かれ、米国、中国、ドイツ、インド、日本の順位になり、新興国の存在感がますます高まっています。

こうした動きは株価指数にも反映されています。過去5年におけるインド(SENSEX)、アメリカ(S&P500)、日本(TOPIX)、中国(上海総合指数)のパフォーマンスを比較して見ましょう。中国は昨今の景気低迷の煽りを受けて芳しい動きをしていませんが、インドは、日本の東証株価指数、アメリカのS&P500と同様に、高いパフォーマンスを示しています。

ただし、新興国の政治や経済は不安定であり、社会情勢により為替や株価は大きく変動する可能性があります。市場や銘柄によっては、先進国と比べ株式の流動性は低いため、売りたいタイミングで買い手がつかないこともあり、取引コストが高くなりやすいと言えます。

また、多くのグローバル企業や機関投資家は新興国でビジネスを展開し、経済発展の恩恵を受けるため、直接的・間接的に投資をしています。ただ、先進国の景気が減速すると投資資金を引き揚げ、新興国の経済も連鎖的に停滞する恐れがあります。

法律・規制も整備の途上にあり、投資に不利な変更が急に施行されるかもしれません。また、先進国に比べて情報を入手しづらく、税制や会計制度、情報開示について遅れている国も少なくありません。近年は整備されつつあり、証券会社や投資会社のレポートなどで状況を確かめやすくなりましたが、情報の非対称性があることも押さえておくべきです。

新興国投資の手段はさまざま。投資信託やETFから始めたい

新興国への投資手段は大きく、個別株と、投資信託・ETFに分かれます。現在は米国株をはじめ、中国株や韓国株、東南アジア諸国の個別株投資に対応する証券会社がいくつもあります。個別株投資を始めたいなら、こういった証券会社に口座を開くことになります。なお、新興国株の取引手数料は日本株に比べて高水準であることが、ほとんどです。

新興国株は、地政学リスクや流動性の影響を受け株価も乱高下しやすいといえます。ダイナミックな値動きの波に乗れば大きなリターンを狙えますが、大きな損失を計上するリスクもあります。新興国株は分散投資対象のひとつとしておき、資金を集中させることは避けるべきでしょう。

一般的なのは、投資信託・ETFを通じた間接的な投資です。新興国株の動向を表す代表的な指標は、米国の調査会社MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)による「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」で、「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」など、同指標やその他の新興国株の株価指標に連動する運用を行う投資信託・ETFは数多くあります。新興国全体ではなく、BRICSやアジアなど特定の地域に投資する商品、新興国株が対象のアクティブファンドもあり、多様な選択肢から商品を選ぶことができます。

直接的・間接的に新興国株にアクセスする方法があり、そのハードルは決して高くありません。注意したいのは、個別株であれ、投資信託・ETFであれ、新興国株に資金を一極集中させないことです。先進国株と異なる値動きをする金融商品をポートフォリオに加えることで、分散効果を発揮し、投資の持続性を高めてくれます。

新興国の経済発展には時間がかかり、株価もゆるやかに上昇する傾向があります。短期投資では大きな下落に巻き込まれる可能性があるため、長期投資を心掛けることが基本です。新興国株への投資に取り組む際には、これらの点に留意しましょう。どういった金融商品を選ぶべきか迷うときは、IFAをはじめとする専門家のアドバイスを仰ぐと良いでしょう。

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